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(A)撥水と防水の相違
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防水・・・・・生地(織物)の表面を防水剤で隙間なく覆うことで雨(水)の浸透を
防ぐ。水の浸透を防ぐ上では完全だが、水滴が生地に張り付いて水切れがよくない。
また、通気性が無くなるので衣服などでは内側がむれる。
撥水・・・・・撥水剤で繊維の一本一本を包み込むようにし、表面に付着した水滴が
玉状になってはじかれる。織り目の隙間が残る為、通気性はよい。
※撥水性・・・・・織物と付着した水滴との接触角度(別途参考図のθ)が大きいほ
ど撥水性が高くなる。通常の撥水性では接触角度が約110度、150度前後より大きいと
「超撥水」などといわれる。
なお、洋傘の品質基準(JIS S 4020)では、雨傘生地の「防水試験」として「耐水
度」と「撥水度」が設けられている。耐水度は、JIS L 1092〜5.1の耐水度試験(水
圧法)により、規格値250m/m以上。撥水度はJIS L 1092〜5.2の撥水度試験(スプ
レー試験)により、規格値80点以上であることと想定している。
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(B)雨傘の耐漏水性
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通常の雨傘は三角形に裁断した生地8枚が縫い合わされている。このため、生地の
耐水性・撥水性のほか、耐漏水性(傘内側への水漏れ)の規格が品質基準に設けられ
ている。
これは、人工降雨試験装置により、傘の上面全域に毎時20m/mの降雨状態で連続20
分間降水させた後、傘の内側を目視によって調べる。その結果、「傘の内側に伝水が
ないこと。また、傘の内側に水滴が20滴以下であること」と定めている。
なお、毎時20m/mという降雨は、一日の降水量にすると100m/m以上という大雨に相
当する。雨量100m/mは3.3平方m(一坪)当たりドラム缶で1.5本分の量に相当する。
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