福光美保 (かさのRipple)        


■聞き手:宮武和広(心斎橋みや竹kasaya.com)■写真:山田哲也
福光さん 早速ですが、絵を描き始められたきっかけからお教えください

幼少の頃はとても控えめな性格で、絵を描くことが一番の自分の表現方法でした。 親に懇願して美術大学へすすみ、会社勤めをする傍らもずっと絵を描き続けてきたんですね。私から「絵」をとったら もう何も残らないって感じです(笑)

父が庭に花を植えるのが大好きで、その花を絵に描いて残してあげたかったんです。自然の美しさを表現したい、それに独自の視点での「心」や「想い」そんなプラスαを込めたいというのが 私の絵の原点です。


その大好きな絵を 「傘に描こう」としたのはどうしてですか

最初から傘と決めたわけではありません。バッグや靴など様々トライアルしました。中でも傘が一番好評を頂戴したので、傘に描く機会がどんどん増えていったのです。

「気分も落ち込みがちな雨の日も楽しく」喜ばれる傘をお届けしたい一心で描いていたのですが、或る日お客様から「福光さんの傘をひらくと夢がひらくんですよ。」とご感想を頂戴し、なんて素晴らしいんだろう!と今の仕事に確信が持てたんです




たしか「ヒーリングアート」を最初に名乗ったのは福光さんだとおききしましたが

はい。周知される随分以前から「癒しの絵」を描いていましたが、ヒーリングアートとはどのような芸術かという説明が要りました。その点、傘に絵を描いてさしあげると、余計な説明など一切なくても 観られた方が感じ取ってくださいます。


傘のプロの目でみても、福光さんの作品の素晴らしさは感嘆するばかりです。 絵の構想はどのようにして練られるんですか

同じ傘でも「思い」を乗せると それは特別なものになりますね。「思い」をちゃんと受けとめて描きたいんです。その為にはお客様が何を求めておられるかじっくり考える時間が大事。悩んでいちどは行き詰りますが、そこからじわ〜っと沸き出でてくるのです。この不思議な力のおかげで、私…書き損じたことがありません(笑)




傘に絵を描くことで 難しい点や とてもご苦労されていることはあるでしょうか

傘は曲面なので、従来の絵の遠近感の手法が役立たないのが最も難しい点でしょう。 また余分な線を入れると透かした時に見えてしまうので、下書きもデッサンもできません。だからデッサンの型紙を作り、それを基に 慎重に点をプロットしています。


絵の上達の秘訣って ズバリなんでしょう

意外かも知れませんが「うまくなりたい」と思ったことは一度もないんです。「お客様が満足するものを仕上げたい」要求されたものに必死に応えている間に、技を磨けました。だから私の腕を上達させてくれたのは お客様といえるかもしれません。




どんな方が福光さんの傘をお求めになるのでしょうか

当初は自分へのご褒美にという女性の方、次に特別なギフトという需要が多くなり、最近は男性の方で 大切な方へ記念日に贈りたいというお客様が増えています。買われた方の口伝えで 更なるお客様を呼んできて下さるのは、本当に有難いことです。


最初に傘に描いたのはどんな絵ですか。
それにまつわるエピソードもお聞かせください

最初に描いたのは桜の花でした。「きょう玄関に飾りました。見てると涙が出ました」という嬉しいメールを頂戴し「私がやりたかったアートはまさにこれだ!」と思えたのです。それ以来、受け取られたお客様の感激に思いを馳せますと、どんなに立て込んでいてもどんなにキツい作業でも 頑張ることができるようになりました。


では 心のこもった贈り物にも きっと最適でしょうね

大切な方に私の傘を贈られるとき、そこに必ず「格別の愛情」があります。傘を通じて誰かの思いが伝わる。そして その間にメッセンジャーとしての私がいる。その使命と責任を全うし達成できた喜びが、また次作品へのエネルギーとなります。


お願いする場合にイメージ写真を用意する必要はありますでしょうか

いえいえそうではありませんよ。絵もデザインもおまかせの方も多いですし、お花の場合は花指定のみもOKです。写真をもとに書く場合 それをもとにイメージを膨らませますので、傘に載せた時とおなじぐらい大きめの写真があればあり難いです。

いずれの場合もできる限りイメージに近づけるよう 念入りにヒアリングをします。 デザイン構想に一日かけて、私自身の思い入れも高めて絵を描く作業にのぞみます。


ブログやフェイスブックなども積極的に活用し情報発信されていますね

えぇ果てしなく拡がりたいです。怖さは感じません。それは感性の部分で繋がって 考え方が近い方が 自然に周りに集まってくださるからです。ブログのコメントにも涙をすることが多くて、ソーシャルメディアでも いつも支えられているのを感じます。


これから更にトライしてみたいなぁってことはありますか

父の「書」を絵にしたいです。私は書のかすれや 勢いをもったスピード感を 絵で表現することができます。自分の生き方にぴったりの文字を選ばれて、その字を傘に載せてあげることができれば、素敵な夢をお届けすることができますからね。


立ち止まったり悩んだりする時もあるでしょう。そんな時どうリフレッシュされますか

悩みとかあると草取りをするんです。庭で草取りをすると心が落ち着きます。大地とむきあうことで、自分の中にも瑞々しいエネルギーが芽生えてきます。そして作品の中の透明感も増していくのです。


素晴らしい!福光さんの創作アイデアの発露は 大地から湧き出るものなんですね

「あなたは私で、私はあなた」みんな別々だと思うから色んな悩みが出てきます。ほんとうはひとつ。私と宮武さんもひとつだし、自然もなにもかも すべてふくめて ひとつなんです。そんな思いにつつまれ 感謝と祈りをこめて 絵を描いています。

福光さんに私の愛犬 柴犬のムギを描いていただきました。
もう傘から飛び出してきそうな程そっくりで素敵です
(心斎橋みや竹kasaya.com 宮武和広)
 



■福光美保(ふくみつみほ)

手描き傘アートの第一人者として幅広く活躍中。ヒーリングアートを創始し作風は「癒し」がテーマ。 トールペイントとパステル画の教室をもち、「心の健康」講座や 色彩カウンセリングも行う。

■かさのリプル(オリジナル手描き傘)

福光さんが、ひとつひとつ心を込めて手描きをした素晴らしい傘。 世界に一本だけ あなただけのオリジナル傘。胸のすくような感動をはこびます。



■宮武和広(みやたけかずひろ)

心斎橋みや竹四代目、潰れた老舗をネットで復興。 安心安全なネット通販普及のため全国行脚。 「男も日傘をさそう会」主宰。プログレッシブロック界ではミスターシリウスとして知られる

■前原光榮プレミアムショップ

福光さんが絵を描いている前原光榮商店の傘の通販。宮武和広監修のプレミアムショップ

■心斎橋みや竹kasaya.com

全国の逸品が集う匠の傘の殿堂。日本の傘文化 情報発信ステーション


■フォトグラファー 山田哲也 オフィシャルサイト