「挫折からの出発」物語編 Page7
今でこそ、僕は各方面から注目されているわけですが、これはまったく奇跡
に等しいのです。あの時、僕は人生の中で一番不確実なシナリオに、藁をも
すがる思いで賭けていました。おりしも街はクリスマス。忍び寄る崩壊の足
音を背中にききつつ、私は現実逃避をするために、いつも全力で店飾をして
いました。
会社が突然閉鎖するのはショックだけれど、終焉がわかっていて商売するの
は、もっと耐え難い。心斎橋筋は人に酔うほどの賑わい。店内も幸せそうな
人々でいっぱい。しかしバックヤード扉の向こうには引越し荷造りされた箱
が山積み。この時ほどドアひとつ隔てた世界の対比が感じられたことは、か
つてありませんでした。
僕はクリスマスの音楽を聴くたびに胸がつまります。小さい頃から心斎橋の
「マーブル模様」に慣れしたしんだものとして、耐え難い痛みが胸をかきむ
しる毎日。18万円(3ヶ月)のネット通販実績を唯一の武器に、どこまで
人生をきり開いていけるのか?まったく未知数でした。メーカーに豪語はし
ていましたが、あんな心細い気持ちはなかった・・・
案の定、クリスマス前に心労から体を壊し、「虫垂炎」に。しかし、それで
も頑張れたのは、画面の向こうに親友達がいたから。「負けへん!」でも
「わからへん、どうなるか?」ネット通販と心中する道しかない!と心に決
めていても、駄目だったらどうするのか?既に30後半、傘しかわからん私
の心は絶望と希望の狭間で揺れ動いていました。
ここに昨年のクリスマスのページを再現。未熟ですが、僕の祈るような気持
ちが出ているでしょうか・・・
イブのその夜、私は決意しました。もう心斎橋にはないことをネットで発表
しよう!はっきりと店が潰れたことを告知しようと!お客様には、そっぽを
むかれ、信頼をすべて失ってしまうのかもしれないが。。
これは商人としては、一世一代の賭けでありました!