◆正札を守れ、値引きは却って気持ちを悪くするぐらいが落ちだ◆松下幸之助◆

日本の傘文化を守りたい
Super "Zubahon" Column by Kasaya no Kazuchan

業界へ提言〜500円傘について


 関東の某社が販売展開する500円傘が、いろんな面で話題にのぼっている。この企画が 公になったのは、一昨年の暮近く東京で開かれたあるイベント会場であったとされる。一 般入場者にパンフレット(企画書)が配布されたもので、これに対する洋傘業者の反応は 様々であった。例えば、
(イ) 500円という安い価格を出されたのでは、市場の値下がり傾向を益々助長して、専業 者の商売が成り立たなくなる。
(ロ) このやり方で、商売の正常な供給ができるのだろうか?(売りっぱなし…?)
(ハ) 消費者の洋傘に対する価値観と価格のバランスを崩してしまうのではないか?
(ニ) 企画に謳っているとおりなら、先駆的な戦略である。専業者が手を拱いている隙を衝 かれた感がある。
(ホ) 一発勝負的なもので、長くは続かないのではないか。
などなどであった。

 東京を中心とした商圏で、昨年春の雨傘市場は、残念ながらこの500円傘の戦略に影響 されながらのスタートになったといえる。販売価格の低下傾向を助長したりする一方、販 売店によっては定番品として採りいれたところもあり、取扱商品の価格ラインによっては、 かなりの影響も出たようだ。  しかし、年間を通して雨傘は七七低迷気味の市場であったから、業績劣化の原因が果た して500円傘によるものであったか否かは、別途に検証してみるべきであろう。  ところで、500円傘の販売展開が、東京中心から東海、関西方面へと移っているようだ。 これについては、東京での勢いを駆って商圏を広げているという見方と、東京圏(既存エ リア)では収益が上がらなくなったから、とする見方に評価が分かれているようである。

 小売店の中には、500円の傘を売っても収益がでないとして離れる例も多いようだ。また、 商品知識の無い、アルバイト的なセールスマンがパンフレットだけで飛び込み勧誘する販 売方法にも問題があるようだし、売れた商品の補充も結果として在庫が増えるというデメ リットが伴うという話も聞かれたりする。

 一種のカテゴリーキラーといえるが、あまり過剰な反応はしない方が良いと思う。安い からといって、消費者は何本も余計に買う訳ではない。価格だけなら百円ショップでも販 売されているのが現実である。これらを嘆くだけでなく、どんな傘(品質・デザイン・機 能・価格)をどんなお客さま(年齢・男女・感性・職種・地域)に売りたいのか、自分の センスと戦略を明確化することが急務ではないだろうか。

 要は、最終的に消費者が選んで購入してくれるかどうかである。その信に応える商品と 売り方、アフターケアを提供していくことこそが、持続的な商売を現実していく基盤なの だと確信したい。

back

Copyright(C) kasaya.comKazuhiro Miyatake All rights reserved
このコラムの著作権は心斎橋みや竹に属し、法により保護されています。
無断転載を一切禁じます。引用・紹介の場合は必ず事前許諾をえてください

kasaya.com kasaya.com home