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kasaya.com
BART 1998.10
オンラインビジネスの現場
ネットで昔ながらの
専門店が復活しました

 「華街にありながら店をたたんだんです」  辛かったにちがいないであろう決断も宮武氏は明るく語る。 サラリーマンがある日いきなりリストラされてしまったり、あるいは大 企業が突然倒産することと同じように、老舗店舗もまた閉店を余儀なく される時代だ。創業100年を超える傘専門店「心斎橋みや竹」は、大阪 心斎橋に店舗を構えていた。

 4代目の宮武氏は、「音楽活動をするかたわらで、商品仕入れを担当 していた」と言う。「一等地で商売をすると、傘を売ること以外のコス トがあまりにもかかりすぎる」ことをいやというほど知らされた。  苦い経験を経て、家でもできるビジネスを考え始めていたころに、イ ンターネットとの出合いがあった。  閉店2ヶ月前にホームページを立ち上げ準備にとりかかった。売り上 げ高月18万円からのスタートだ。 「でも、次第に売り上げが右肩上がりに昇っていくネットの魅力に取り つかれていった。」と言う。

 19年間にわたって培ってきた商品知識がものを言うのも事実だ。すで に、月商は200万円を超えている。音楽活動の経験を生かして、今では CD販売も行っている。「ネット上で昔ながらの専門店が復活した」と 微笑む宮武氏。

 傘などの専門店は、ネット上でしか生き残ることができないのかもし れない。だとしたら、SOHOがその役割を担っていくにちがいない。 卓越した技術よりも、会話(メール)することの大切さは、昔も今も変 わらないようだ。

1958年大阪市生まれ、関西学院大学中退後、 音楽活動をおこなうかたわら、家業の傘専門店で仕入れを担当。 1996年閉店と同時にインターネットでの通信販売を開始する。


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